禅長寺 本堂 新築工事 (設計・施工)

              
 NPO木の建築フォラム主催 第1回木の建築賞 受賞
○禅長寺は西山浄土宗の有田地方を代表する寺院で、住職・役員 共々に以前から当地方で開講されている文化財教室に通う等、 古建築に関する知識も豊富で、この寺の改築に当っても後世の 文化財指定をも視野に入れた計画となりました。  

中世仏堂様式を模範とし、総円柱、板壁、二手先斗供組、 二軒繁垂木割、和様建築を主題として設計し東南海地震の到来等 が取沙汰される昨今、従来の伝統的工法に後述の様な耐震性向上の為の改善点を加えて完成しました。








■本堂 外観 




イメージ

■本堂 内観






■本堂 外陣 天井見上













■耐久耐震性を向上の為の工夫と期待する効果



①柱頭にステンレス板
6㎜を敷き込み、斗を受ける

(イ)大斗尻が柱頭へ不同にめり込み、斗
が傾斜するのを防止する。

(ロ)柱頭の頭貫輪なぎ込み部ビンタが外側へ反るのを防止する。

(ハ)柱頭の「やせ」により大斗尻に「スキマ」が出来て大斗の割れるの
を防ぐ。








(2)足固貫・内法貫の継手は従来は柱の太さの内で略鎌で行われていたが、

柱と柱の中間で金輪継ぎで継ぐようにしました。

(3)内法貫・足固貫と柱の上下端までの距離が従来の伝統建築では短くて、

柱の縦剪断破壊が発生し易く危険である為、極力柱の太さ程度の長さを

確保する様にしています。








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(4)足固貫と基礎とを緩やかに連結しています。 

足固貫の縦横方向を必ず背違いにしています。






 

■本堂 平面図








■本堂 矩計図















■建築概要
建物位置  和歌山県有田郡吉備町土生49
工事期間  平成 9年10月~平成12年12月
設計・施工  ㈱西澤工務店
構造・規模
本堂    木造198.32㎡
裏堂    木造124.06㎡
合計       322.38㎡